2025年07月頭出しタイトルのみ全文

１　交通事故による損害

　交通事故にあった場合、車両や携行品等の物的損害と、ケガにともなう人的損害が発生することが多いと思います。

　物的損害と人的損害に関して、相手方の任意保険会社によっては担当が分かれていることもあります。

２　物的損害の示談交渉の時期

　物的損害の主なものは、車両の修理費用（修理費用が時価額を上回る場合には、通常、時価額が損害額となります。）や携行品等になります。

物的損害については、比較的早期に損害状況や損害額を確認することができるため、通常は、損害が確認でき修理が終わり次第、示談の話に入ることが多いです。

３　人的損害の示談交渉の時期

　人的損害の主なものは、治療費、休業損害、傷害慰謝料等になります。

　人的損害については、通院が終了した後に慰謝料等の計算が可能になるため、通常は、治療終了後（後遺障害の申請をした場合にはその結果が出た後）に示談交渉に入ることになります。

４　示談交渉における注意点

　物的損害の示談交渉においては、過失割合が妥当か確認することが重要になります。物的損害の示談で決まった過失割合が、人的損害の示談交渉時に適用されることが一般的なため、過失割合に疑問がある場合には安易に妥協せず、弁護士に相談した方がよいでしょう。

　また、物的損害に関して、修理費用が時価額を上回る場合（車両が全損の場合）には、時価額が争いになることも少なくありません。相手方から提示された車両の時価額が適切かどうかを確認することも大切になります。

　人的損害の示談交渉においては、慰謝料が妥当か、休業損害が妥当か、後遺障害がある場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益が妥当かといった点を特に確認することが重要になります。内容や金額に疑問がある場合には、弁護士に相談することをお勧めします。